恋愛をうまくいかせたかったら空気を読まず、かつ周到に

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最近、いろんな女子(特に30代)の恋愛話を聞いていて感じることだけど、みんな、あまりにも人の目を気にしすぎていて恋愛がうまくいってないような気がする。

昔、大学時代の同級生にカヨコさんという人がいた。
カヨコさんは常日頃から「あたしは東大生と結婚したいからこの大学に入ったのよ」と明言していた。

カヨコさんは九州人で、見た目はがっつりオカン系。お世辞にもモテるタイプじゃなかったし、本人もそのことを自覚していた。
「あたしは美人じゃないから自分からガンガンいかないといけないの、黙って家に引っ込んでたら何も起こりゃしないのよ」
これが、カヨコさんの口癖だった。

事実、カヨコさんはものすごくフットワークの軽い人だった。入学早々、東大法学部の学生が主催する合同テニスサークルに入り、司法試験勉強中の男をつかまえて(イケメンだった)堂々と付き合い始め、その彼とのデートのためなら女友達との約束も平気でドタキャン。そして彼がめでたく在学中に司法試験に受かった途端、「見合いする」と彼を焦らせ、アッという間に結婚してしまった。

そして次々と子供を三人産み、現在も幸せなハズである。

さて問題です、「あたしは女友達より男のほうが大事」と言ってはばからなかったカヨコさんは、はたして他の女子たちから嫌われていたでしょうか?
意外なことに、実はそんなに嫌われていなかったのである。

というのは、そこまで人生というものに対する基本姿勢をハッキリと見せられると、中途半端にフワフワしていた私たちなどはその勢いに圧倒され、「カヨコなら仕方ないよね」と一種の超人を見る思いで彼女を見ていたような気がする。

実際、男さえからまなければカヨコさんはいい人で、ただおのれの欲望に忠実だという一点を除けば「頼もしい人」だったのである。

最近になってカヨコさんのことを急に思い出したのは、あの頃、彼女にあって私たちになかったものは「空気を無視する能力」だったのだ、とあらためて気づいたからだ。
今周りを見ていると、当時のカヨコさんより明らかに恵まれたカードを持つ女の子たちが、周囲の空気を読みすぎるために貧乏くじばかりひいている。もっとそこはワイルドにいけばいいのに、という局面で変にエンリョして恋を逃したり、やたらと自己卑下に走ったりしてせっかくのチャンスをダメにしてしまっている。

親や友達の忠告をあまりにも聞きすぎて主体性をなくしてしまうのもよくない。たとえば仲良し女友達の「あんなやつやめなよ」の一言で、ベストパートナーかも知れない相手をアッサリ振ってしまったり。あーあーあー、もったいない。友情はもちろん大事。でも、そんなことまで他人の意見を最優先しちゃっていいのか。

カヨコさんだったらきっと死んでもそんなことはしないだろう。彼女だったら誰にも相談せず「今度この人と結婚することになったの」とだしぬけに言うはずだ。事実、彼女はそうしていた。カヨコさんは私たちの誰よりも結婚が早かった。そして、彼の実家のお金でそれは豪華な結婚式を開催し、その堂々とした体躯を純白のウエディングドレスに包んで私たちに見せつけたのだ。

今ならわかる、カヨコさんのような方法をそのままやろうとは思わない。けど、「空気をあえて読まない」彼女の姿勢は幸せをつかむためには必要なのだと。

あの頃、もしカヨコさんが自分の容姿を気にかけ、「こんなブスなあたしには誰かと付き合う資格なんかない」だの、「弁護士の妻になりたいから東大生と結婚する、なんて下品な人間に見られたくない」だの、周りの目を気にしてクヨクヨしていたら果たして幸せをつかめただろうか。否、決してなにもつかめなかったろう。そのことだけは断言する。

カヨコさんは若いのにそのことがよくわかっていた。だから彼女が昔、「あたし、彼がもし病気や事故で半身不随になったら遠慮なく捨てるわよ、だって子供が欲しいもの」と私に言ってのけた時も、その時は本当にびっくりしたけど、ああ、自分に正直っていうのはきっとこういうことをいうんだ、と今だったら少しは思える。

もちろん、こうやって字面で書くと鬼畜だし、未だに全面的に賛同する気にはなれないんだけど、その奥底に横たわる「自分の気持ちを徹底的に尊重する」精神は単純にすごいと思う。

こういう人は何かあってもきっと他人のせいにはしないし、自分の命を断つくらいなら、その前にきっと何か行動を起こす。ようするに頑丈なのだ。もう涙が出るくらいに。

だけど……今の日本、なんというか、女子にこういう頑丈さを許さなくなってる空気があるような気がする。周りの価値観だとか他人の評価だとか、そういうものを必要以上に押しつけてくる感じっていうのかな。

叩かれないためにはおとなしくしてなければいけないんじゃないかとか、自分の長所はひた隠しにしていなければいけないんじゃないかとか、もうそういう、やたらと元気がなくなっちゃう方向に思わされがちな空気があるのだ。

だからすごく窮屈。でも、おめおめとそれに従っていていいのかって思う。

カヨコさんという人には親の教育のたまものなのか、「あたしには魅力がある」という絶対的な自信があった。だからいつも楽しそうだったし、そんな鬼畜な神経なのに周りには陽の気が漂っていた。事実、司法試験に合格したカヨコさんの彼も彼女にはぞっこんだったし、私たちだって本当は自分に正直なカヨコさんをうらやましいと思っていたのだ。

結論です。空気は読むな。でも、潰されない程度にうまくやろうね。