恋愛したい人がたくさんいるのに実践してる人が少ないのはなぜ?

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景気が停滞してるせいか、男も女も、皆さん、なんか恋愛方面において、あんまり自分から積極的に出て行かない人が増えた気がする。
だからまれに、向こうから誘われると待ってましたとばかりに出てくる。いや、出てくるのはまだいいほうで、もっと引っ込み思案度が高くなると、誘われても「カッコ悪い自分」を見せたくないばかりにあの手この手で断ったりする。
皆さん、よっぽど男も女も「誘って断られる」のが恐いのか。それとも、ただ単に面倒くさいのか。家でゲームやってたほうが楽しいのか。

前にナンパ師の男の子から「ナンパってけっこう勇気が要るんですよ」と言われたことがある。
そりゃそうだろう。断られても無視されても、めげずに立ち向かっていくというのは、それなりの精神力というか、胆力が必要だからだ。

まあ、本人は「そのうち恥ずかしさも麻痺します」と笑いながら言っていたが、今日び、自分からはなんにもしないよりははるかにましだと佐伯は思う。手段はどうあれ、他者と関わろうとする行為にはそれなりの労力が要るからだ。

ただ女から誘う、となると話はまたややこしくなってくる。
なぜなら基本、女はなんだかんだいっても「ガンガン誘っていただきたい」生き物だからだ。
かりに女からガンガン誘うと男は萎える。なぜならそういうふうにできているから。
だから昨今、ごく一部の「誘わせる手練手管に長けた女性」以外は、女はたいてい男の草食化によって「お茶ひき状態」になっている。
誘いか待ちか。これ、女子にとってはまことに深刻な問題である。

そんなことを嘆いていた矢先、先日、痛ましい話を聞いた。
佐伯の好きな、いわゆる女の「カミカゼアタック玉砕系」の話である。

「佐伯さん、あのね、突撃してって受け入れる男ってのは、しょせん『そーゆーヤツ』なんですよ」

と言ったのはキャリア系の女性・Kさん(37)。
Kさんは数年前、テレビを見ていてふと何かの特集番組に出ていた新人作家の男性に一目惚れしてしまった。それは見るからに奥手そうな、夕食をコンビニで済ませてしまうような草食系の男性だったという。
その姿に母性本能を刺激され、Kさん、なんと彼がまだ独身という情報を得て果敢にも直アタックを開始した。
そして彼から色よい返事が来たのを機に、彼が住む地方都市と東京とを往復する生活が始まったのである。

ところが、なんかちょっとヘンだった。
テレビで紹介されていた時にはボサボサ頭で服もヨレヨレだったのに、実際の彼は会ってみると妙にこぎれいで、おまけに部屋もきちんとしている。
そして極めつけは、キッチンに調味料の類が完備してあったことだ。

「結局、何人も女がいたのよ。それであるとき予告なしに訪ねてったら『三者面談』になっちゃって」
『三者面談』とは他の女とハチ合わせした末の修羅場のことである。結論からいうと、Kさんは作家の彼にその場でストーカー呼ばわりされ、彼はその後Kさんでもその女でもない別の女性と結婚したという。

Kさんは「騙された」といって大いに憤慨していたが、私は彼が「そーゆーやつ」であることを見抜けなかった彼女の選球眼にも問題があると思っている。
どだい、そういうテレビに嬉々として出演するような男はだいたい「そーゆーやつ」であることが多い。もともとは「そーゆーやつ」じゃなかったとしても、いっぺんに金と地位を手に入れるとたちまち「そーゆーやつ」になってしまうのだ。

しかしKさん、案外、無意識では彼が「そーゆーやつ」だとわかっていたフシもある。わかった上であえてドMマインドを炸裂させ、突っ込んでいったようにも見えるのだ。
かくいう佐伯も子供の頃から金魚すくいでは「黒デメキン」しか狙わなかった子供。だから、Kさんのその「変なヤツに惹かれてしまう」、どうしようもない嗜好はよくわかる。

ただ、もし幸せになりたいならば、あえてこの場で言わせてもらう。
カミカゼアタックを決行してでもそのテの相手を得たかったら、周りに群がる女どもを皆殺しにするくらいの覚悟がないとダメなのである。
あるいは、ソッコーで子供を仕込み、既成事実をつくってしまうとか(それでもダメなときはあるけど、『妻』の称号を得られる率は高い)。
そしてその後は、彼がどんなに浮気しても見て見ぬふりをするくらいの度量の広さが必要だ。

佐伯にはそんなことできないけれど、できる人はすごいと思う。きっとそうまでして得たいような相手に出会ったってことだから。明治の文壇とかの恋愛沙汰ってそんなのばっかりで面白い。与謝野晶子&鉄幹とかさ、あそこまでいけば芸術。

だけど、あーあ。奥手でまじめな男性の皆さん、ほんのちょっとでいいんだけどな。誘って断られてもゼロだけど、うまくいけばプラスになる。マイナスには決してならない。だから、なにとぞあと一歩。でないと、先にあげた食虫植物系ロールキャベツ男とか、ひたすら肉食系男とかにオイシイとこもってかれちゃうよ。