安い恋だって必要なんです!その理由とは?

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【佐伯紅緒のスーパーカミオカンデ】 第90回
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「自分がご無沙汰気味だと思ったら、『安い恋』に活躍してもらいなさい」

ある時、酒場で確信にみちた口調でそう言ったのは、佐伯が尊敬している先輩大作家のRさん。
彼女は佐伯よりひとまわり年上。しかし、その時も誰か若い男の子に恋をしていたらしく、ぷかーっとメンソール煙草をくゆらせながら、「あたし今幸せなのお」とのろける様子はすごくすごく可愛かった。

佐伯はRさんの小説をバイブルにして生きていた時期があるので、ほとんどのお言葉は「ははーっ」と平伏して聞いていたんだけど、唯一引っかかったのがこの「安い恋」という言葉だった。

彼女はいわゆるブルーカラーの男の人が大好きで、電柱に登って作業してる人とか、真冬に半袖で宅配便持って駈けずりまわっている人とか、そういう、「生きる根源的な力」に満ちた男の人に目がないという。

つまり、学歴とか年収とかにはいっさい興味ない人だったのである。

その彼女が「恋」と「恋」のあいだには必ず「安い恋」を入れるという。

「安い恋」というのは要するに「お手軽な恋」のこと。相手にさしたる思い入れもなく、その寿命もめっぽう短く、相手に全然期待がない、だからお互い踏み込まない、文字通り「安い恋」。

それが、次なる「本命の恋」を待つ間には不可欠だと彼女はいうのである。

これには佐伯、正直いって誰にでもできることじゃないと思った。

だって、どの恋愛指南本を読んでも「安っぽい恋愛をしてはいけません、自分の価値が下がります」みたいなこと書いてあるじゃないか。Rさんは売れっ子作家で、すでに自分ですべてを持っている。だから、相手の男性には性的魅力以外には何も期待がないのだろう、そんな風に思っていた。

だけどこれ、と佐伯は最近ふと思い出したことがある。

そういえば昔、付き合った男性を3人ばかり恋わずらいで心療内科送りにしたという魔性の女・Kさんも(彼女も物書き)、今思えばこれとまったく同じことを言っていたのだ。

「『クモの巣嬢』(泣)になっちゃうのがいちばんいけないことなのよ。つまんない男でもいいから、とにかく誰か来たらつかまえときなさい。そうすればそれがフェロモンの呼び水となり、次なる男をひき寄せるのよ」

うーん、スジは通っている。

でも佐伯、前に「失恋したらしばらくインターバルを置け」みたいなことをこのコラムでも書いた気がする。

正直、それもまた真なのだ。なぜなら、いっぺん浮気男やDV男なんかと付き合うクセがついちゃうと、教訓を身体に沁みこませる時間を自分でつくらない限り、また似たような男を引き寄せて同じことを繰り返しちゃうから。

そうならないためには絶対「恋の農閑期」は必要なのだ。

だけど確かに、あんまり「農閑期」が長すぎても畑の土が固くなるのも事実。

それを考えると、RさんやKさんの言う「安い恋は必要」説にも一理あるのかも知れない。

同じことを「箸休め」と言っていた女の子がいた。この女の子は他にも「お通し」「突き出し」「おしのぎ」「別腹」と、実にさまざまな恋のかたちのバリエーションを持っていた。

彼女によると、男を乗り換えるときの一時的な二股は「のりしろ」と呼ぶらしい。

「のりしろ」。なんという、女というモノの本質をグサリと突いた言葉なのか。

でもそういえば確かにこの彼女も、いきなり仕事に燃えて恋愛がご無沙汰になった途端、フェロモンがみるみるうちに消えていったような気がする。

そう考えてみるとやはり「箸休め」は必要なのかも知れない。

ああでも佐伯、いろいろ考えててひとつだけ確信したことがある。「安い恋」自体はしょせん「安い恋」だから、誰にでも勧める自信はない。けど、いろんなことがありすぎて傷つき、今や恋愛戦線からすっかり遠ざかってしまった、だけどひとりはいや、というアラサー以上の女性には絶対「安い恋」は必要だ。

なぜなら、若い頃から職場では才色兼備の「高値の花」「デキる女」と呼ばれ続け、なまじ上質の男との恋愛もいくつか経験し、今や平均値以下の男とはお茶すら飲めなくなっている、そういう「孤高の女(ひと)」状態はとってもよくないと思うからだ。

なんというか、「女」としての気持ちがグラリと揺れる相手に出会ったら、相手のスペックにこだわらず、エクササイズするぐらいの気持ちで付き合ってみてもいいんじゃないか。

自分より収入が高くなきゃとか、自分より年下はいやだとか、そんなの結婚するわけじゃなし、それこそ「安い恋」なんだから一切考えなくていい。もし本気になってしまい、長期化する場合にはそれはそれ、その時にまたあらためて考えればいいのである。

DVや浮気男などの悪いパターンには気をつけなければいけないけど、そこさえちゃんとクリアすれば、場数を踏んだ妙齢女、新しい扉にチャレンジしなくてどうする。「安い恋」というワードに抵抗があれば「Fast Love」と言いかえてもいい。ファスト・ラヴ。そういえば昔、ジョージ・マイケルのヒット曲にそういう歌があったっけ。

「オレはMr.品行方正なんかじゃない、ただお手軽な恋を楽しみたいだけなんだ」

おぼこかった高校生の頃にこのPVを観た時は「まあなんてハレンチな」と思っただけだったけど、今見るとこのジョージ・マイケル、やたらセクシーなのである。

ゴボウや豆腐のおいしさが大人にならないとわからないのと同じように、この年になってようやく「セクシーってのはいいもんだ」と思えるようになったんだろう。もっとも彼は後年、自分がゲイであることをカミングアウトし、「これだってゲイの歌だよ」とてらいもなく言ってのけたけど、「安い恋」で己を活性化させるという点においては、ゲイだって独身女性だって変わらないと思うので、自分のセクシュアリティを上げるための「安い恋」ならオーケーと思うんだけど、どーかな?