恋愛恐怖の怪談!?○○がある女になっちゃダメ

【佐伯紅緒のスーパーカミオカンデ】  第76回

先週は恋愛を遠ざけるものは『面倒くさい』だと書きましたが、今週はその流れで「せっかく手に入れた恋愛を駄目にするものは何か?」について書いていきます。

長い冬を耐え忍び、待ちわびた末にようやくやってきた春、「恋愛」を叩き壊してしまうもの。

その名は『ヒマ』。
ようは「やることが何もなく、ウツウツとしている状態」です。

誤解のないように言いますと、ヒマには「いいヒマ」と「悪いヒマ」がある。

人間、バタバタしてるばかりだと余裕がなくなってしまいますし、ヒマは漢字で書くと「暇」といい、その意味は「忙しい時間の合間にぽっかりとあいた状態」とある。これは「いいヒマ」。こういう時間があるからこそ、人は明日に向かって頑張れる。

だけど、かりに恋愛中にあるあなたが「彼の連絡待ち状態」でヒマになり、そしてその結果、精神状態が悪くなってるならそのヒマは「悪いヒマ」です。そして、多くの女子はひとたび恋愛モードに入るとこの「悪いヒマ」にとらわれる。そう、「待ち」の体勢に入ってしまい、今までできていたことまでができなくなったりするんです。

恋愛におけるヒマの弊害を軽くあげていきますと、

・自分のことができなくなる(彼からのメールが最優先事項になるため)
・不安になる(浮気してるんじゃないか、私は遊ばれてるんじゃないか、等のマイナス思
考でアタマがいっぱいになる)
・そしてその結果「もう傷つきたくない」と自爆し、やっぱり傷つく
・相手への要求が∞になる(もっと構って、私だけを見て)
・自分の存在価値が感じられなくなる(私には何もない。こんな私じゃ捨てられる。死に
たい)
・自分磨きがおろそかになる(ヒマにおかされ自信をなくすとお洒落すらできなくなる)

ちょっとあげただけでもこんな感じで、いいことなんてひとつもない。
「ヒマはいかん」で思い出したのは、先日、年下の友人・よっちゃんから聞いた彼女のお姉さん、レイコさん(仮名・35)のお話。

しっかり者でアクティブで友達も多い妹のよっちゃんと違い、姉のレイコさんはけっこう美人なのにすごく受け身な人なのだそう。友達も少なく、無趣味。休日の過ごし方を聞いたら「ヒマなのね・・・」としか思えないような、しょうもない内容だった。

いえね、休日にダラダラするのが悪いって言ってるんじゃありませんよ。だけどそれは、ウイークデーがいろいろ充実してる人の話。もちろん、世の中には基本ダラダラするのが大好きな人もいて、それでなんの不都合も感じず、満足してる人もいる。

だけど、毎日会社と家の往復だけで楽しくない、このままだと一生ひとり、なんとかしなきゃ、って思ってる婚活女子が、休日に何もせず、ゴロゴロしてたらどーなるか見当はつきますよね?

で、レイコさんの話に戻りますが。
彼女、それでもきれいだから若い頃はそれなりにお誘いがあったんだけど、30の声を聞いてからはぱったりとお声がかからなくなった。さすがに焦ったレイコさん、一年ほど前から婚活サイトに登録。まもなくひんぱんにやりとりする男性が見つかった。ところが、これが「好きだ」「愛してる」「レイコに会いたい」を繰り返すばかりの男で、実際にはまったくレイコさんと会おうとはしないのだという。しかも、その状態が既に一年近くも続いているというのだ。

よっちゃんが言う。
「うちのお姉ちゃんて、きれいなんだけど、どっか自信ないんですよ。それでここ半年くらい、ずーっとその彼のために休日あけて待ってるんです。それで思い切って『会いたい』ってメールしても、『今は仕事が忙しい』とか『時間ができるまで待ってくれ』の一点張り。それでお姉ちゃん、精神のバランス崩していま薬飲んでるんです」

うわあ。これを現代の怪談といわずしてなんとする。
ちなみにこの婚活サイトは有料。
常識的に考えたら、これ、どうみてもサクラのバイトだよね。
もしくは、恋愛ごっこを楽しみたい既婚者か彼女持ち。
百歩ゆずって考えても、嘘のイケメン写真を使って疑似恋愛してるサエない男(会ったら正体がバレるから会えない)。
だって、レイコさんが知ってる彼の情報は「顔写真」とメアドだけだから、その気になれば情報なんていくらでも操作できる。
しかしまあ、これだけで恋ができる、というレイコさんもたいした才能です。平安時代だったらなんとかなったのかも知れないけど、いかんせん今は21世紀。

でも、佐伯はつくづく考えたのですが、これ、レイコさんという人がヒマだからこそ起こった悲劇じゃないのかと。
つまり、もし彼女が忙しく、日々充実していたら、こんなしょっぱい婚活詐欺(?)にはひっかからなかったと思うのです。

だから佐伯が言いたいのは、もしもあなたが今付き合ってる「彼」のせいでヒマになっているのなら、そんなヒマはさっさとドブに捨ててしまいなさい、ってこと。
恋愛に限らないけど、なにごとも依存はよくない。依存のいちばんいけないところは、なにかに過度にすがりついた結果、本来あなたが持っている無限の可能性まで失ってしまうこと。

佐伯は断言できるのですが、いまこれを読んでいるアナタ、アナタは自分で思っているより少なくとも10倍以上のことはできるんですよ。
それを、長年箱の中で育てられて大きくなったノミみたいに、自分にはすごい跳躍力があるのにそのことに生涯気づかず、箱をはずされても跳ぼうとせず、ヒマのままでいるなんてもったいない。

この「箱」の中から出るコツというのはきっといろんな本に書いてあるけど、佐伯個人の経験則でいうと、とりあえず「ヒマ」をなくす、これに尽きる。なにもしなければ何も始まらないけど、アクションを起こせばなにかが始まる。ひとたびなにかが始まると、英語でセレンディピティ、っていうんだっけ、そういう、意味のある偶然の一致が起こる。

だからどんな小さなことでもいい、ヒマから脱却したかったら気になることをドンドン始めるべし。「わらしべ長者」ってけっこう史実に基づいたお話だと思うんだわ。