包容力を手にして彼氏も手にする現代版モテ女!?

地味だろうが派手だろうが、与える女は、モテる。
これ、忘れられがちだけど鉄板。昨今、男も女もどっちを向いても「欲しい欲しい」という人ばかりの中、ただ「与える女」というのはなんといってもモテるのだ。

そもそも、今の日本、お父さんお母さんの世代からして愛情に飢えてる人が多く、だからそういう両親に育てられた子供もまた、成人してもどこか喪失感を抱えた「愛情餓鬼」になっちゃってるケースが多い。
だから、そういうおそらく今この国の大半を占めているであろう、喪失感を抱えた人たちの心をワシ掴みにするのは、なんといっても見返りを求めない「無償の愛」なのである。

世の中はほめるよりほめられたい人のほうが多い。
世の中には愛するより愛されたい人のほうが多い。

その需要と供給のバランスはシャレにならないほど偏っていて、だったら、とっとと需要の少ない側にまわるほうがお利口かな、と佐伯は思う。
言うはやすし、自分がぜんぜん満たされてないのに与えるなんて無理じゃん、などと言うなかれ。
これ、ほんのちょっとの思いやりと想像力があればわりかしできることなのだ。

佐伯はつまるところ、コツは「しゃあない」の精神に尽きるのではないかと思っている。

つまり、たとえ大好きな人が自分を振り向いてくれなくても「しゃあない」。たとえ自分の見た目が自分の望む通りでなかったとしても「しゃあない」。この徹底した現実認識、そしてよくも悪くも「諦め」の精神が、自分という人間について自信をつけるのだと佐伯は思う。

これは決して後ろ向きの考え方とは思わない。むしろ、自分の「事情」を徹底的に見極め、今の自分の武器、弱点などをきちんと見極めておいた上で、自分の人生をよりよくするためには不可欠の心構えだと思っている。

いまこのコラムを読んでいるのは20代後半から30代の女性が多いと思うんだけど、これ、自分の心を守るためには一生使えるから心のメモに残しておいて。いくつになっても、自分という人間の商品価値を知ることはとっても大事。自分がいまどういう状態にあるか、異性に対してどんなアピールができるか、自分のウリはどこなのかを正確にわかっていたら、不必要にいやな思いをすることも少なく、調子がよければちょっと冒険してみようかな、という気持ちにもなれる。心がなにかに囚われておらず、健康な状態であれば、意中の相手の「台所事情」なんかもニュートラルにわかってくるのだ。

たとえば、これは佐伯が最近目にした同世代の女性のケースなんだけど、夫も子供もいる彼女、スポーツジムのイケメンインストラクターに熱烈な恋をしてしまった。
分別のある人だったからストーカーとかにはならなかったけど、その「どうしようもない感」は同世代の佐伯には痛いほどよくわかった。

彼女の「恋してしまった」という事実自体は決して悪くないと思う。恋はそもそも自然発生的なものだし、本人にもどうにもならない。そして、そのエネルギーはうまく使えはいろんなことに活用できる。ただその彼女の場合、それによって不必要に自己評価を下げてしまったのがマズかった。
つまり、

「あの人に好きになってもらえない→そもそも異性として見られていない→私なんかもうダメだ→死にたい」という超絶負のスパイラルである。
ここまでくるともう「しゃあない」では済まされなくなってくるのである。

たださー、佐伯たまたまそのイケメンインストラクターの男性の「事情」も知ってたんだけど、彼はもとボクサーで、現役時代思うように成績を残せず、30になるまえに引退して今インストラクターやってんの。
見た目がいいから女にはめちゃくちゃモテるんだけど、酒飲ませて本音を聞くとこれがけっこうな喪失感で。そんなところに、よく稼ぐ優しいダンナさんも可愛い子供もいるマダムに、アナタが好きよー、なんてハート型の目をして言い寄ってこられても、バカヤロウ、こちとらカラダ張って日々商売してるんだ、そんな道楽に付き合ってるヒマはねえ、ってとこじゃないかと思うのだ。

双方の言い分を音声多重で聞いた佐伯がしみじみ感じたことは、彼女がすべきはメールアドレス書いた紙を握りしめてジムの受付で待ち伏せることじゃなく、ただ彼の応援者となり、ことあるごとに彼の魅力をほめたたえ、もし彼が弱音でも吐いてきたら徹底的に聞いてやることだったのだと思う。そうすれば、彼女は彼の恋人にはなれなくても、彼にとってはかけがえのない「特別な人」になれたと思うのだ。
(まあ彼女が、そういう関係を望んでいたかどうかはまた別の話だけどね)

つまり言いたかったのは、若くてキレイなうちはワガママ言ったり振り回したりするのも有効だけど、そんなのはいつまでも使えるような手ではないってこと。ある程度の年齢になったら女たるもの、「しゃあないわ」といろんなことをすぱりすぱりと諦めつつ、「自分の世代ならではの力を最大限に活用する」のがいいんじゃないかと思うのだ。
佐伯はそうやって、幸せをつかんだ女性を何人も知っている。
彼女たち全員に共通していたのはやっぱり「包容力」と「男を理解する能力」だった。
簡単なことじゃないとは思うけれど、これ、女と生まれたからには目指す価値あるんじゃないだろうか。

だって世の中、相手の美醜にかかわらず、自分をとことん甘えさせてくれる女に抗える男なんていないんだからさ!