不倫をする男性の育った家庭環境の特徴

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 不倫をする男性には育った家庭環境で何か特徴があるのか?男女の心理に関することを得意としていらっしゃる心理カウンセラーの池尾昌紀先生にお伺いをしてみました。

不倫をする男性の育った家庭環境の特徴

【池尾先生のお話】

  • 不倫をする男性の深層心理

不倫をする男性の特徴の一つは「自分を愛してくれる人は誰もいないだろう」という思いを抱えている事です。例えば、親が厳しくて褒められたことがないといった生い立ちがあると『優しくされない褒められない自分は価値がない』と感じてしまい、自分を愛してくれる人を探してさまよってしまうことになったりします。

こうした思いを隠すために早くから自立するケースも多く、すると、努力を重ね、ハードワークをして成果をあげることで、自分の価値を自ら作り上げる人生を生きている人になります。

 ところが、こうしたケースでは、愛されることをあきらめて早くから自立をしているために、「どうせ愛してくれないだろう」と一人でがんばっている分、「愛されたい」という強い欲求を残したまま大人になっています。本当は子どものように甘えたいのに、甘えられないという思いが残っているのです。

 こうした思いを妻にまっすぐ向けられたらいいのですが、結婚という責任ある状況や妻に対する愛情が大きい分、妻に近づけないという矛盾した心理を抱えやすくなるために、妻には弱音を見せられなくなってしまうのです。

 本当は妻に愛されたいのですが、近くて大切な存在なだけに「愛されない」ことをはっきりさせるのが怖くて距離を置いたり、「こんな俺でも愛してくれるかい?」と妻の愛を確かめたくて悪い行動に出てしまう場合もあります。

 多くの男性は、こうした気持ちをほとんど自覚できていません。無意識の心理なのです。

 しかしながら「誰かに愛されたい」という思いを満たしたいという欲求はなくならないために、この思いを満たす相手を探します。それが不倫という形につながっていく場合があるのです。

  • 母親に愛されなかった自分

 私は「今の人間関係のルーツは親との関係」という表現をしていますが、人が生まれて育っていく上で、一番最初に築く人間関係は親との関係です。その中で男性にとって初めての異性との関係は母親との関係で、それが大人になってからの恋愛に影響を与えている場合があります。

 もちろん、親との関係や生い立ちがその人の全てを作っているとは限らないのですが、自分の人間関係のルーツが親との関係の影響を受けている場合もあるのですね。

 例えば、恋人時代はよかったのに、結婚すると妻に対して距離を感じるなどの場合。これは、結婚や家族という形が生い立ちの家族を連想しやすくなるなどの理由から、妻との関係に、自分の母親との関係を無意識に感じていることがあるのです。

 すると、母親に愛されなかったと感じている男性は、自分は妻には愛されないのではないか、と無意識の疑いを持ちやすくなったりします。

 この心理が、先に述べた、本当は妻に愛されたいけれど、近くて大切な存在なだけに「愛されない」ことをはっきりさせるのが怖くて距離を置いたり、「こんな俺でも愛してくれるかい?」と妻の愛を確かめたくて悪い行動に出ることもあるのです。

この無意識の疑いは愛されなかったと感じている度合いだけ大きくなる傾向があるので、時には、壊れるより先に自分が壊したくなるという自己破壊的な行動を取る場合もあります。それが不倫という形につながっているケースもあるのですね。

  • 愛されていても苦しかった子供時代

逆に愛されていたと感じていた人も、過保護や過干渉と呼ばれるような母親だと、距離が近すぎて苦しいという感覚を持っている場合があります。

すると、先ほどと同じように、結婚をしたとたん奥さんに対して、母親を重ねてしまい、距離が近すぎて苦しいという感覚を思い出すために、妻と距離を置きたくなってしまう。この心理が不倫につながる男性もいます。

また、愛情をたくさんかけてもらったが、親からの期待が大きく、それがプレッシャーになり、努力をやめることができなくなったり、周囲の目が気になりすぎたり、本来の自分以上に大きく周りに見せなくてはいけない、という窮屈な生き方になってしまう男性もいます。

こうした男性は本当の自分を偽って生きていると感じているので、「本当の自分は価値がなく愛される価値はない」と感じていて、それを隠そうと妻との間に距離を置きたくなる、という場合もあります。

 親との関係という視点で説明してきましたが、どのケースであっても、男性にとっては近しい存在との心の距離に怖れがある、ということになります。

不倫相手だと心の距離感があって男性にとって居心地が良いと感じますが、不倫相手と結婚したら、今度は妻という近い存在になってしまいますので、またこの距離感が苦しくなって、別の女性に行くというようなことを繰り返す可能性があります。

 不倫をする男性の多くは、こうした心理を自覚していません。

 既婚男性と不倫をしている女性にとっては、このことを知っておくことが、相手の気持ちを知るヒントになり、「この人でいいのか」という自分の気持ちを知るヒントになるでしょう。そのことが、本当の心のつながりが持てるパートナーを見つけることにつながっていくと思います。

ikeo

池尾昌紀

http://blog.livedoor.jp/cs_ikeo/

1967年生まれ・岐阜県出身。「カウンセリングサービス」所属、心理カウンセラー。「カウンセリングサービス」母体の「神戸メンタルサービス」にて心理学・カウンセリングの手法を学び、2006年よりプロカウンセラーとして活動。名古屋を中心に東京、大阪、福岡で各種カウンセリングと講座・講演・ワークショップを行っている。カウンセラー養成スクールの講師を務め、数十人~100人規模のグループセラピーをリードするトレーナーでもある。