不倫する男性は何を求めて不倫をするのか?

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不倫をする男性はいったい何を求めているのでしょうか?男女の心理に詳しい心理カウンセラーの池尾昌紀先生にお話を聞いてみました。

【池尾先生のお話】

不倫男性が不倫に求めているもの

  • 家庭がうまくいっている場合

 夫婦というのは、積み重ねている月日の中で、お互いの弱音や甘えなどの「本当の気持ち」を話すことができなくなっていくことが結構あります。うまくいっているように思える夫婦の中にも、弱音などを伝え合うことができなくて、そのことが夫婦の間に心隙間ができている場合もあるのです。これは自覚できている場合もありますが、無自覚である場合も多いのです。

 特に男性は自分の感情を話すことが苦手な人が多い。今でも『男は泣いちゃいけない』と言われて育つ場合が多いので、感情を感じること、感情を表現することに抵抗が生まれやすい。だから、感情については、文句や怒りという表現か、何も話さないか、という不器用な形になってしまいやすいため、結局、弱音などの本当の気持ちを伝えられないのです。

 また、身体と心の関係で説明すれば、男性には生理がないので、女性のように身体の変化によって自分の気分が変わるということがないため、女性に比べて、日常で感情の変化に意識を向ける必要がありません。こうした理由もあって、男性は自分の感情を感じるのが苦手な人が多いのです。

 これほど男性と女性の感情の感覚は違っています。ところが、男女それぞれが同性の友人同士の感覚で表現したり、求めてしまうので、相手の思いに気づいてあげられなかったり、相手にわかるように表現できなくなってしまう。そのためにすれ違いが起こりやすくなるのですね。

 また、男性にとって結婚して家族を持つということは、社会的・経済的に家族を守らなくてはいけないというプレッシャーを抱えることでもあります。男性が抱える価値観なのですが、男性自らが「役に立ちたい・守りたい」と願っていることもあります。すると、その思いが強ければ強いほど、奥さんの顔をみるだけでプレッシャーを感じてしまう、という男性も出てきます。女性からしたら勝手な責任感だと思われることも多いですし、男性自身も無意識であることが多いのですが、こうした男性特有の責任感は夫婦であるがゆえに大きくなるとも言えます。

 さらに、夫婦が長くなると、そこには「恥ずかしさ」という厄介な感情が生まれてくるために、ますます、素直な気持ちを表現できにくくなっていきます。

 こうした感情を感じることについての男女の違いを最初から知っていれば、それを前提に夫婦のコミュニケーションをとる工夫をしていけるのですが、私たちはこうしたことを学ぶ機会を持っていません。お互いの弱音や甘えなどの「本当の気持ち」を話すことが難しくなるのですね。

 不倫男性が不倫相手に求めているものとは、こうした妻には伝えたくても伝えられない「弱音や甘え」を受け止めてほしい、という思いであることが多くなるのです。

 簡単に言えば、家庭で心がゆるめないので外の女性に仕事や家庭のプレッシャーからの解放を求めてプレッシャーなく甘えられる場所がほしいという事になります。

  • 家庭がうまくいっていない場合

奥さんと仲があまりよくない場合というのは、家庭に居場所がない場合が多いですので、自分の居場所を他に求めやすくなります。また、奥さんと仲が悪くSEXがない場合というのは、当然SEXを満たしてくれる相手を求めていきます。

しかしながら、結局、これは先の話と同様、家庭で心がゆるめないので外の女性に仕事や家庭のプレッシャーからの解放を求めてプレッシャーなく甘えられる場所がほしいということなのです。

男性は自分の感情を感じたり表現したりするのが苦手と書きましたが、自分の事をちゃんと見てほしい、自分の事をちゃんとわかってほしい、という欲求は強く持っています。仕事の大変さ、家族を支えるプレッシャーが大きいからこそ、それを奥さんにわかってもらいたいけれど、仲が悪いために、それが叶わないという状態です。そもそも、それをうまく伝えられていないから叶わないのですが・・・。

だから、理想としては何も言わなくても自分の気持ちをわかってほしいと思っています。そんな思いを不倫相手なら満たしてくれたりする。不倫という状況は、女性にとっては、なんとか男性に愛してほしいと思いますし、また、相手を助けたい力になりたいという思いからスタートする場合も多いので、男性の気持ちを汲んであげようという思いが強いために、察してあげることができやすくなります。男性にとっては求めていたことを満たしてくれる相手、になるわけなのです。

 また、男性の達成感とか充実感というのは、自分自身が幸せと感じることよりも、自分の力で愛する人が笑顔になることで感じられると言われます。それが家庭の中で感じられないと、自分の存在価値を認めてくれる場所が欲しくなります。実はSEXよりもこの達成感や充実感を求めている事の方が大きいのです。

 つまり、男性にとっては、責任感から解放される距離感があってこそ癒されるということですから、男性に対して責任感を求めすぎたり、相手の気持ち以上に、自分の気持ちをわかってほしいという態度を取ると、うまくいかなくなります。

 結局のところ、男性にとっての不倫とは、家庭で心がゆるめないので外の女性に仕事や家庭のプレッシャーからの解放を求めてプレッシャーなく甘えられる場所がほしいという事になります。しかし、別の見方をすれば、お互い責任を感じなくていい都合のいい距離だから成立するもの、と言えるのです。

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池尾昌紀

http://blog.livedoor.jp/cs_ikeo/

1967年生まれ・岐阜県出身。「カウンセリングサービス」所属、心理カウンセラー。「カウンセリングサービス」母体の「神戸メンタルサービス」にて心理学・カウンセリングの手法を学び、2006年よりプロカウンセラーとして活動。名古屋を中心に東京、大阪、福岡で各種カウンセリングと講座・講演・ワークショップを行っている。カウンセラー養成スクールの講師を務め、数十人~100人規模のグループセラピーをリードするトレーナーでもある。