いったいどんな女が最終的に勝つって、そりゃ恋愛を持久戦に持ち込める女です。
これは周りを見ててもほんとそう。普段からチヤホヤされ慣れてる子、ひともうらやむ容姿の子、こういう子って現実問題として意外とライバルにはなりません。
なぜなら、持久力が弱いから。
このての子たちはちょっとでも面倒くさくなるとすぐにどっかに消えてくれます。
代わりなんていくらでもいるワ、なんてうそぶいてる強気の子とか、自分がいちばんじゃなきゃイヤなの、なんて相手の男にちょっとでも不満があるとすぐに切っちゃう子とか、見てるとそのプライドゆえに一番いい物件を逃してる。
なんでこんなことを急に書く気になったかっていいますと、最近、友達のアラサー女子から恋愛相談を受けてて、ああこれは何もつかめないな、とつくづく思ってしまったから。
相談者はヒトミちゃん(仮名)、29歳。
大学は慶応だか上智だか(忘れた)そのへん、勤務先は某外資系車会社のショールーム。
容姿はまあ、10人いたら10人に「美人」と言われるレベルのルックス。
そんなハイスペックな彼女ですが、話せば話すほど「あーこれはこのままだとこの子は不発の線香花火のような人生を送るだろうな」と思わせる感じなんです。
具体的にいいますと、
・自分のそんな好条件にものすごいプライドを持っている
・だからそんじょそこらの男は相手にしない
・そのくせ自己評価が低い
・「このアタシが~」が口癖
・いいと思ったらガーッと食いつき、相手をドン引きさせてしまう
・また逆に、エンリョモードに入ってしまって自分から連絡をとることができない
・ちょっと連絡がとれないと不安になってLINEの嵐。未読既読で一日が終わる
・ラブラブ期を過ぎて男のテンションが下がってくると途端にメンヘラ化、相手をとことん正論で追い詰め、しまいには逃げられる
・寂しさを紛らわすために常に複数の男をキープ、それが身体の周りになんとなく匂い立ってしまっている
・自慢はするけど自己開示ができない、しかもいったん自己開示すると自伝が書けるほど話してしまう
・自分の攻撃によって相手がダメージを食らうことが理解できない
・彼の周りの女にたいするリサーチ能力が米国特殊部隊なみに優秀
等々……。
うわー私やっちゃってるよ、と思ったそこのアナタ、大丈夫です!
なぜならこんなの、だれでも一度は通る道。そうやって人は何度も痛い思いや恥ずかしい経験をし、少しずつ成長を重ねていくものなんです。
しかるにこのヒトミちゃん、いくら同じ目に遭っても学習しない。
だから何度も同じ失敗をする。かりに周りの心ある友人が「ここ直したほうがよいよ」と指摘しても、「そんなことない!」の一点張り。ちっとも聞き入れてくれません。
だからしまいには誰も何も言わなくなる。佐伯も彼女にはもう何も言いません。
そんなヒトミちゃんの最大の弱点はまさに「持久戦ができない」こと。
見てると彼女、慎重にやればうまくいきそうな付き合いまで乱暴なやり方で壊してる。
これは私の持論ですが、三回同じ失敗が続いたら原因は自分の中にある。
ヒトミちゃんを見ていると、本当は幸せになりたくないんじゃないか、と疑いたくなるくらい自分で幸せを遠ざけてる。
そのほとんどはなんでもかんでもすぐ短期決戦で白黒決着つけようとし、その結果、相手にノーと言われて逃げられるのが原因です。
持久戦は大事です。
単純接触を繰り返す、ジャブ打ってはすぐ引き下がる、相手のノリが悪かったら距離をとる、今だ、と思ったらサッといく、etc。
これです。ひたすら地道な努力。
歴史のならいにもあるように、最終的に勝つのは信長でも秀吉でもなく、常に徳川家康な女。
ちなみに今のヒトミちゃんの「ライバル」は、今オマーンという国に留学してる彼の「女友達」。
ただ佐伯、ヒトミちゃんの話を聞くにつけ、ああその彼を射止めるのはそのオマーン留学中の彼女だろうなあ、と思った。
なぜならその彼女、距離はあるけどフェイスブックやツイッターではまめにその彼とやりとりし、共通の趣味で盛り上がり、ことあるごとに彼にとっての「居心地の良さ」を提供してるから。
間違いない。彼女こそまごうかたなき「家康公」です。
そう、ヒトミちゃんにはとても言えないけど、そのオマーンの彼女はとうにその彼をミサイルの照準のごとく「ロックオン」し、着々と、かつシャラッとゴールインに向かう駒を進めているに違いありません。
もうもう、結婚式の二次会でオマーンの民族衣装を着た彼女の姿まで見えるようです。
だから最後にもういっかいだけ言う。長期戦て大事だよ。