ニワカカップルとシングルクリスマス・思い出に残るのはどっち?

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こんにちは。皆さんがこれを読むのはクリスマスイブかと思いますが、今日は今年最後の奄美大島からこのコラムを書いています。

で、宿に電波が入らないということにたった今気づいて焦りまくり。
以前は宿にwifiが入っていたんですが、なんでもだいぶ前に解約したとかで、あらどうしたらいいんでしょう、ピーンチ!

ので、もし皆さんが無事水曜日にこのコラムが読めていたら、佐伯が島じゅうを駆けずりまわって電波をキャッチした結果だと思ってください。

で、前置きが長くなりましたが、ここ、島にはクリスマスという行事がない。
もちろん、奄美本島に行けばツリーのひとつやふたつくらい飾ってあるんでしょうが、今私がいる離島にはクリスマスのクの字もございません。

ああ、なんて気が楽なんでしょう。

ここへ来て、佐伯は自分がいかに都会生活の中で「クリスマスには何かしなきゃいけない」的な空気感の中でストレスを感じていたかを思い知ったのでした。

あれって「同調圧力」だよなあ、とつくづく思う。

佐伯の家の近所にはデートスポットとして紹介されてるランドマークがあるせいか、この時期になると街じゅうにニワカカップルが溢れかえります。

広場にはハロウィンの翌日から巨大なツリーが設置され、「お急ぎめで」出来上がったカップルがその前で記念撮影。

よく「クリスマス前にくっついたカップルは4月に別れる」という話を聞きますが、それはなんでかっていうと、

「クリスマスをひとりで過ごさないために始まった付き合いは、バレンタインとホワイトデーが済むとその役目を終えるから」なのだそうです。

だから、本当にラブラブカップルで、
「クリスマスには彼氏とあれしよーこれしよー♡」
なんて幸せオーラをダダ漏れさせてる人なら、佐伯も進んで近づいていき、浅草寺のお線香を浴びるごとくそのご利益にあずかりたいところですが、

いかにも「今だけ」っていう感じで、たいして好きでもない人と割高のクリスマスディナーをつついている姿を見るのは、関係ないと知りつつもこちらの胸まで痛みます。

そんなことするくらいなら家族か友達と過ごせよ、って思う。

行事はあくまで恋を盛り上げる材料に使うべきものであって、この日はこうすべきああすべきと振り回されるものじゃない。

別に、残業やりながら迎えるクリスマスイブがあったっていいじゃないか

ちなみに私がこれまでの人生でいちばんよく覚えてるクリスマスイブは、料亭のお運びをやっていたときに迎えた28歳のイブでした。

彼氏のいる先輩に「お願いだからシフト代わって」と頼まれ、そういう時に限ってお客さんがなかなか帰らず、やっと見送ったのが12時過ぎ。
裏で紺地の着物姿のまま大量の雑巾を洗っていたら、女中頭のユカリさんがやってきて「お茶して帰ろうか」と誘ってくれた。

その夜は結局深夜営業の喫茶店でユカリさんとウグイス餅を食べて帰った。差し向かいでいる間じゅう、二人ともほとんど口きかなかった。

その後の人生でも幾度か華やかなクリスマスイブはあったけれども、「聖夜」っていうと今でも佐伯はあの時飲んだほうじ茶の味を思い出すんです。