全てをさらけ出した自分を誰もが受け入れてくれると思うなかれ

ID-100172145

時事ネタには極力言及したくないんだけど、例の、ホステスやってたことがバレてアナウンサー内定が取り消しになり、そのことを不服として訴えた女子大生の話。

 

なにをどう言ったらいいかわからず、モヤモヤモヤモヤしています。

というのは、これってなんか、この国の暗部というか、実にいろ~んな問題をはらんでいる気がするので。

だから今回、ウエットになるかもしれませんが、さらにはポエムになるかも知れませんが、佐伯が個人的に感じていることをいくつか書かせていただきます。

 

まず水商売、将来カタギの職業につきたいお嬢さんは絶対やらない方がいい。

なぜなら、その経歴を得た途端、失うものがたくさんあるから。

これはもう建前とか職業に貴賤とか云々じゃなく、正直ベースの事実です。

 

佐伯は今、小説の資料で終戦直後の東京や横浜のことをいろいろ調べていて、戦争で親や夫を失い、生きるために「女」を売らなければならなかった女の人たちの人生を追っています。

彼女たちは案外明るくその生活をしていますが、戦後、景気がよくなって人生が上向いてくると例外なくその過去を封印する。

当たり前ですよね、そんな過去を知られたら、絶対差別されちゃうもん。

あと調べていてびっくりしたんだけど、鎖国が終わって明治維新になった時も、日本が戦争に負けて進駐軍が来た時も、外国人のために政府がまず真っ先に用意したのはなんと「売春宿」でした。

それもそのうたい文句は「国を守るために身を挺してくれる婦人を求む」

国を外敵から守るために自国のレディを政府が差し出す、というクレイジーさに外国人たちが驚いたであろうことは想像にかたくないですが、古くは芸者から今は銀座のクラブに至るまで、「女」を売ることを商売にする女を、国がすすんで潤滑油としてシステムの中に組み込んできたのは事実です。

 

ところがそういう場所で生きてきた女がいざ「表舞台」に立とうとするとたちまち大騒ぎになる。

あるいは、象牙の塔のような本来「表舞台」のど真ん中にいるはずの女が、少しでも銀座っぽいノリをそこで見せたりすると、これまたハチの巣をつついたような騒ぎになる。

昔、「俺は底辺の部分でしか女とは関わらない」と佐伯に言った男性がいました。

とても立派な仕事をしている男性だったけど、なんだか好きになれなかった。

でも悲しいかな、きっとこれが現実。

 

私は以前、長年水商売をやっていたという女性から「そろそろかたい職業につきたいんだけどなかなか採用されない」という相談を受けたことがある。

見た目もいいし実務能力もあり、オミズな外見でもない彼女、なんでだろう、と少し考え、ふとピンときて訊ねてみた。

「ねえ、ちょっと履歴書見せて」

すると佐伯の予感は的中。

彼女、それまで自分が勤めていた店の名を全部、正直ベースで書いていた。

すぐにこの空白の10年間を「実家の文具店でレジ打ちをしながら親の面倒を見ていたと書きなさい」と入れ知恵したら、速攻で採用になりましたという連絡がきた。

彼女はそこで過去もすべて受け入れてくれた男性と職場結婚し、今は妊活に励んでます。

 

身もフタもなくいうと世の中には「光の職業」と「闇の職業」の二種類がある。

そして、この両者はとっても仲良し。

その中で、色恋を売ることで高額のお給料をもらう「銀座のホステス」はどっちの職業でしょうか、っていうような話なんです。

コンビニのコーヒーは100円。でも、銀座のクラブでコーヒー飲んだら10万、その差額の99900円が何に支払われているかって話なんですよ、って話がある銀座のママのブログに書いてあった。

職業に貴賤はない。これは本当。どんな世界にも立派な人はいる。

だけど、その世界ごとの「お作法」の違いがあり、どんな職業につくかで世間様の対応が違ってくるのもまた事実。

だから、その違いがわからない人がうかつにいろんな世界へ紛れ込み、両方のオイシイとこどりをしようものなら「コラッ」とやられるのは仕方がない。

 

まあ、接客業の大変さとか、ビジネスのロールモデルを勉強したいなら、コンビニとかマックのバイトのほうが絶対いいと思います。