男が『守ってあげたい』と思う女に本当に弱いヤツはいない

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昨日、映画『ローマの休日』を観ていて、これまで何度も観てきたこの映画の、オードリー・ヘップバーンという女性の魅力が初めてハダでわかる瞬間があった。

 

あー、やっぱりコレなんだ。

世界中のオトコ共が「女」に求めているものって。

「ローマの休日」を観たことない人(いるのか)にざっくりと説明すると、公務でローマにやってきたヨーロッパ某国の王女様が窮屈な生活から逃げ出し、たまたま王女のインタビュー取材に来ていたアメリカ人記者と恋に落ちる・・・というお話。

 

そしてこの映画のヘップバーン演じるアン王女様、一見「可愛い」「守ってあげたい」人なんだけど、実はめっちゃ芯が強い。

王族としての気品を持ちつつ、グレゴリー・ペック演じる記者には等身大の女の子の弱さ無防備さ、可愛らしさもチラリと見せ、でもやっぱり自分は国を統べる者だから・・・と最後はキゼンと去っていく。

いわゆる「ギャップ萌え」っていうやつです。

さすがこの一作で「世界の恋人」と呼ばれるようになっただけのことはある。

 

でも、佐伯が今日このコラムで言いたいのは実はそんなことじゃない。

「ギャップ萌え」なんて演出でいくらでもできる。

そうじゃなく、男共がこの人のどこに惹かれているかっていうと、

それはたぶん彼女の「凄み」。

あの細身の、天使のようなスマイルの下に隠されているものです。

具体的に、オードリー・ヘップバーンという人の人生を説明しますと、

 

・父親はナチスに傾倒。あげくに外に女をつくり、幼い頃に母子ともに捨てられた

・大戦中は栄養失調や貧血で苦しんでいた

・「オードリー」という英国風の名前が危険だというので、戦争中は偽名を名乗らされる

・10代の頃はバレリーナを目指すかたわら、オランダでひそかにレジスタンス活動を行っていた(見つかれば収容所行き)

・身内をユダヤ人収容所に送られて亡くしている

・少女時代の栄養失調のためにバレリーナへの道を断念、女優へ

・晩年はユニセフ大使となり、戦争嫌いがこうじて永世中立国であるスイスへ移住

 

・・・とまあ、こういう壮絶な人生をくぐり抜けてきたメンタルタフネスの上にあの一見「無邪気」なスマイルがあるわけです。

でも、そういう過去が透けて見えるから、男共はあの笑顔に夢中になるのだと思う。

 

なにもここまで壮絶じゃなくても、モテる女性、人気のある女性というのは必ずどこかに「闇」がある。そして同時にこういう「闇」を照らす屈託のない明るさがある。

酉の市でともされるあの提灯のゆらめきの美しさが「闇」に裏打ちされているように、それまでの人生経験や、それをどうにか消化して生き延びてきた人特有の「光」は美しい。

つまり、いろいろあって、その上でいい笑顔ができる人ってのが最強というわけです。

 

だから、今の時代の私たち、戦争とか飢餓とかいうのにはありがたいことに無縁なんだけど、その代わり、あの頃とはまた別のつらさがある。

西原理恵子先生も言っておられるように、現代のこの国は「形をかえた戦場」なんです。

だから、そんな中で、佐伯は最近しみじみと思うのです。やっぱり女たるもの、目指すべきは宇多田ヒカルさんが名曲「Fight The Blues」で歌うところの、

「女はみんな女優、か弱いふりしてめっちゃ強い、それでも守られたいんです」

ではないかと。

 

その上でグレゴリー・ペックみたいな人に出会えるかどうかはわからない。でも、そういうのは時の運であって、

メンタルタフネスを手に入れる、という一点に関しては、誰の気兼ねもいらないと思うんです。

弱いよりは強いほうが絶対いいに決まってる。ビンのフタなんか本当はお湯に漬ければ簡単に開くけど、パソコンの設定なんか本当は自分でサクサクできるけれど。

 

どーですかね?