優良に見える独身男がマハラジャ過ぎて結婚できない!?

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先週、何人か年下君と話す機会があったんだけど、その中にいた31歳の男性からこんな相談を受けました。

オレは三代続きの貿易会社の跡取り息子なんですが、30すぎてそろそろ会社を継がなきゃいけないと思い、最近は婚活っぽいのをやってます。

でも、これがうまくいきません。直近の彼女は二か月で破局でした。二度目のデートで彼女に借金があることがわかり(英会話やエステでつくったらしい)、オレがそれについてなにか言ったら相手がブチ切れちゃったんです。

他にも何人か会いましたが、だいたい半年以内でダメになります。女の人ってどうしてああ条件つけたり、理想が高かったりするんでしょうね? オレは早く親を安心させたいし、従業員たちも食わせていかなきゃいけません。だからそろそろ身を固めたいんですが、どうしたらいいんでしょう?

 

詳しい状況がいまいちわからないので具体的なことはなにも言えなかったんだけど、正直、私がまっさきに感じたのは、

「そんな理由で喜んで嫁に来る女なんかいねえよ」ということだった。

責任があるのはわかる。ただ、言葉のアヤかも知れないけど、相談の間中、彼の口から出てきたのは「家のため」「会社のため」ばかりで、肝心な「自分はどういう女性と一緒になり、どんな家庭を築きたいのか」はひとつもでてこなかった。

ためしにそういったビジョンについて水を向けてもはぐらかすばかり。見た目は決して悪くないし、スポーツ大好きとかで身体はキュッと締まってる。頭だって悪くない。誰が見ても高スペックの男性だと思う。

ただ、少し気になったのは……この男性、人の話をまったく聞かなかった。

これは最近とみに感じて仕方ないことなんだけど、一部のアラサーさんたちに共通するあの根拠のない「万能感」ってなんなんだろう。

その彼の場合、あるいは私が女だったせいかも知れない。彼と話せば話すほど、あーこのひと、底に男尊女卑の考えがあるなあ、とは感じたんだけど、彼と話した共通の知人男性も「俺は5分でダメだった」と言っていたから、そこらへんは男女とかそういうことじゃないのかも知れない。

普通、会話の基本はキャッチボール。もしAさんが「俺こうでさあ」といえば、Bさんは「へえーそりゃスゲエな、で、それって○○か?」などと、それに対するリアクションというか、反応を示すはず。

ところがこの彼、それがまったくない。どんな話を向けてもコンマ一秒で「あ、そうすか。で、オレは……」となってしまう。

しかもその話がつまらない。せめて面白ければ傾聴するけど、「俺こんなの知ってるんですよ」と繰り出してくるのはどれもこれも古い情報ばかり。しまいには私、ファーストガンダムで酸素欠乏症になったお父さんと再会したアムロ・レイの気分になってしまった(マニアックなたとえですみません)。

プライドが高いんだろうか。この彼、社長の息子だけあって礼儀はよく、女性のエスコートだって完璧。払うところはきちんと払い、荷物だって持ってくれる。本当に「そこ」さえなければとてもいい物件なのだ。

だから婚活でも、女性の食いつきはめっちゃイイみたいなんだけど、どれもこれもあとが続かない。そして気になったのがこの彼、うまくいかない原因の99%を相手のせいにしてたこと。

「オレ、女運が悪いんですかねえ。みんな最初はいいんですけど、二度、三度と会ううちにだんだんボロが出てきて駄目になるんですよ」

そんなワケありません。いちどや二度だったらともかく、10回同じことが続いたら原因はこっちの側にもあるんだよ。

なんでだろう、どうしてだろう。見た目よし、責任感あり、行動力あり、稼ぐ能力あり、貯金あり、自分のことは自分でできる。

なのに、女性が続かない。

もしかして今の日本、男女を問わず、こういう人が増えているのだろうか。

老婆心という言葉はきっとこういうときに使うんだよね、老婆心なんて枕詞がつく言葉はゆめゆめ聞くもんじゃないと思ってたけけど、言葉と労力とおせっかいをドブに捨てるつもりであえて言う、この彼、パートナーを見つけるにはやはり、人とのコミュニケーションにおける態度を変えたほうがいいんじゃないか。

日ごろ、佐伯がいろんな男性と話していて感じるのは、核家族よりも代々続いてる家、若者より年長者、末っ子や真ん中より長男であればあるほど、男尊女卑の傾向は強い。

そのうえ、稼業がお医者さまとか名家の跡取りとかだったりすると、この彼のように跡継ぎ息子の場合は特に、甘やかしと厳しいしつけがないまぜになった複雑な教育を受け、その結果、人の上に立つ力はあるけどワガママ放題の「マハラジャ君」が一丁あがり、になってしまう。

それって、ある環境では確かに機能するけど、本人、それで幸せなんだろうか。

否。なんかマズイと自分でも感じているから、私のような者にもそのことをぼそりと漏らしたりするのだろう。

マハラジャ君の特徴は食べ物の好き嫌いが多いこと。この彼も例にもれず、あれもダメこれもダメ、と食べ物にダメ出しをしまくっていた。

育ちの悪い私などは「ガタガタ言ってないで全部食えよ」とつい言いそうになるんだけど、そこはグッとみぞおちに力を込め「もしかしてアレルギーですか?」などと精いっぱいの抵抗をこころみたりする。だがしかし敵もさるもの、

妙に素直なその彼はアッケラカンと「いや、単にキライなだけっス」と言ってのけるのである。

きっと、小さい頃からものすごーく大事に育てられてきたんだろうなあ。

で、そういう人は大抵、自分の都合がデフォルトで最優先であるからして、お付き合いする女性の側にはしばしば不満が溜まりやすい。

おまけに彼のほうは自分が自分勝手であることに無自覚だから、なんで彼女に怒られるのか、その理由がまったくわからない。え? なんでオレ怒られるの? だって仕事忙しいんだよ? てな感じ。

さっきも言ったけど、そういう男に限って妙に育ちがいいもんだから、レディファーストはそつなくこなす。だがしかし、そういう上っツラだけのやさしさじゃ女の心はつかめないんだよ。

だから老婆心は思うんです、もし、目の前のその人との関係を続けていきたかったら、一度、心の底から相手の言い分に従ってみてはどうだろうかと。

これまで自分の思い通りにしてきた人には屈辱的かも知れないけど、一時間人の話をまっすぐ聞くだけで人生がひらけるなら安いもんじゃないかと思うの。

「人と馬には乗ってみよ添うてみよ」といいます。私もこの辺はヨワイので、これを機に自戒します!