アラサーやばい。とにかく焦っている人はコレを捨てろ。

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【佐伯紅緒のスーパーカミオカンデ】第142回

佐伯の友達に、20代最後の年にすべてを捨てて漫画家になるために上京してきた男の子がいるんだけど、彼が「住民票もキッチリこっちに移しました」というのを聞いた時、「あーこのひとはプロになれるな」となんとなく思いました。

で、先日その彼から、業界最高峰の雑誌「J」でデビューが決まったという報告があった時、あーやっぱり「古いの捨てると新しいのが入ってくるの法則」は正しいんだな、と確信した。

 

思えば、佐伯もデビュー前に似たようなことがあった。

当時、派遣社員として勤めていた会社で「社員にならないか」という誘いが来たの。

社員になれば福利厚生もバッチリ、諸経費も支給されるしボーナスも出る。

そして勤め上げれば厚生年金や退職金なんかがある。

時給の中から国民年金やら健康保険やら払わないといけない派遣社員の身にとって、これは涙が出るくらいありがたいお話。

だから、私にその申し出をした人にすれば、よるべのない哀れな派遣社員にひとすじの「蜘蛛の糸」を垂らしたような心境だったはず。

 

でも、結局断っちゃった。

なぜなら、作家になりたかったから。

なんかこの申し出を受け入れたら、お金で未来を売り渡してしまい、そのせいで作家になれないような気がしたからです。

当時は既に不況の波が押し寄せてきていたから、常識で考えたらこんな話を蹴るなんて正気の沙汰ではなかった。(だから人にはおすすめしません。私は運がよかったのです)

なんだかんだいってお金は大事。うまいこと社員やりながら作家を目指す、そういうこともできたはず。

でも私は残念ながらそういう器用なことはできなかった。

勤勉な人ならきっと両立できたろうと思いますが、私は根がズボラなので、それ選んだらたぶん安易な道にズルズルと流れていったろうと思います。

お金もなく家族も恋人もなく、なんの後ろ盾も持たず、頼れるものは己のみ、友達呼んだら仰天されたような九品仏のボロアパートに住んでいた30歳の私は、ただボンヤリと「書きたい」という願いだけを持っていた。

 

でも、正直そんなに不安はなかった。

理由はズバリ「若かった」からです。

 

はい、もう何が言いたいかわかりますね。前置き長かったけどここからはキモだよー。

いま世間ではアラサー、アラサー、って自虐的にいう風潮があるけれど、現実問題として30歳前後の女って最強なんです。

なぜなら、若さや美貌はまだある上、経験値を積んでいるから。

だから皆さん、その若さを最大限に活用してください。

実際、30歳前後の私はスーパーサイヤ人状態でした。

今は絶対できないあんなことやこんなこと、平気でホイホイできていた。

まあこれが40過ぎるとまた別の楽しみが出てくるんだけど、2030代ができる最高のことって実は「捨てること」だと思う。

 

仕事でも交友関係でも、特に女の場合はオトコ。

若ければ若いほど、捨ててもすぐに次のが来る。

だから、若いうちは「コレ」というのにあたるまでは「アレも違う」「コレも違う」とホイホイ取捨選択したほうがいい。

ひとりのダメ男に何年もズルズル引っかかってるなんてもってのほか。

逆にちゃんと捨てないと、せっかくあなたのために神様が用意してる次の人が入ってこれない。

若さってそれ自体がエネルギーなんです。それだけですでに価値があるものだから(これ本当)、逆になにも持っていなくても、それさえあればなんとかなる。

問題は、若さがあるうちにそれ以外の価値を自分の身につけられるかどうかってこと。

人間力とか、コミュニケーション能力とか、特殊技能とか、人を思いやれる度量とか。

でもまあこれは、きちんと日々生きていれば自然と身につくものなので、あれやこれやと資格とりや自分磨きに走る必要はない。

 

ただ若さを浪費する三大害悪というのがこの世にはあって、これだけは全身全霊で気をつけたほうがいい。

それはすなわち「欲」。

つまり、

・嫌だけどここにいれば生活が安定するという「欲」

・嫌いだけどこの人と付き合っていればいい思いができるという「欲」

・つらいけどこの人と一緒にいれば(性欲含め)さみしさがまぎれるという「欲」

 

いくらその人との付き合いで素敵な場所に連れてってもらえるとか、有名人に会わせてもらえるとかのさまざまな「得」があっても、自分が「媚びている」という「欲」を感じたなら、即刻その縁は切ったほうがいい。

でないと、だんだん自分の中の大事な何かが損なわれていく。

同じように、どんなにその人が自分の暮らしに金銭的な安心をもたらしてくれていても、自分が卑屈になるような付き合いならすぐにやめたほうがいい。

もちろん、「切る」って行為はつらい。

嫌われることもあるし、いろいろ傷つくこともある。

でもそうやってきちんと「切る」ことによって、ちゃんと新しいのが入ってくる。

ようはそのときどきで自分に「合わないもの」「前は合っていたけどだんだん合わなくなってきたもの」を思い切って捨てられるかどうか。

このことがこれからの時代、幸せをつかめるかどうかのキモだと思う。

まあ「沈んでこそ浮かぶ瀬もあれ」、なにも考えずエイッとやるのもひとつの手、というか若さの特権。

案外、崖っぷちだと思ってしがみついてたのが、思い切って手を離したら下はやわらかい草地だった、なんてこと、佐伯もこれまでの人生でずいぶんあった。

だから若さをいう財産をもってるみなさん、どんどん有効活用してはいかが?